2017-04-22 祝杯 詩 涙で薄めた血は、神の言葉、夜の露。 それを受け止めたるは銀の杯。 天から落ちた星が海の中、真珠へと変ずる如く、それは杯の底にて薔薇の香り高き天の美酒と成る。 口にすれば、魂を愛撫するかのように、体の隅まで染み渡る。 恋慕の如く我が身は熱に浮かされ、押し出される罪のように涙が溢れだす。 毎夜、神への感謝と賛美のもとに繰り返す。 畏れながらも、天より零れたる水の花弁への口づけを。 罪を数え、悔恨と共に飲み干せば、涙と共に罪は薄められよう。 天の美酒は夜の露。ならば、飲み干す先に朝は来よう。